就職すると、社会人マナー、電話対応、シャンプーの練習など色々と覚えるものが沢山あると思います。
先にアルバイト先のサロンで教えて貰えることもありますが、ほとんどの方が就職して初めて覚えることばかりだと思います。
美容業界は一般会社とも違う部分があります。
今回は美容業界の新社会人に向けてお話させて頂きます。
サロンに就職
就職すると、学生時代のライフスタイルからガラッと変わります。
もちろん、寝坊して遅刻なんてしたら、こっぴどく注意されるでしょう!
これからはお給与をもらいながら、対価としてシャンプーをしたり電話に出たり、日々出来ないことが出来るようになるために、先輩の時間をもらいながら美容の練習をしていく日々になると思います。
美容業界は、華やかに見える「光」の部分もあれば、働いてみないとわからない、泥くさい「影」の部分もあります。
この記事でドキッとさせたい訳ではないんです。
10年以上美容業界に携わっていて、「光」と「影」のギャップが理由で1年目で退社してしまう率が約35%の業界です。
たくさんの美容室を見てきた中で、事前に知っておくことで少しでもギャップが受け止められたらと思っています。
この記事は、新社会人としてデビューしたばかりの美容師さんの離職予防策になればと思い書きました。
これから美容専門学校を目指す方には事前情報になるかもしれません。
アルバイト経験から働いてお金をもらう、ということは今までも経験されてきたかもしれませんが、就職となると、アルバイトの時とはプレッシャーが変わってきます。
オーナーや店長さんから社員として責任ある立場として見られるようになるからです。
アシスタントの悩み
アシスタント時代は、こんな壁にぶつかる人が多いと思います。
- 朝早くから来て、練習をして、立ちっぱなしで働いて、お昼も食べられない、仕事が終わるのも遅くて、そこからまた練習…だけど給料が高くない…
- カット練習などは仕事ができるようになるためにするんだから、勤務時間内でやってほしい…
- オーナーや先輩はなんでこんな無理なことばかりを言うんだろう・・・。
今と昔は違うでしょ…
美容師さんの求人という立場で接していると直接、または間接的にこんな声が多いように思います。
一方で、「働いてこれた理由」を聞くと、
- 美容師はカッコイイ
- 少しずつ出来ることが増えてお客様にも先輩にも喜んでもらえて嬉しい
- 先輩が一生懸命、サポートしてくれているから
という声もあります。
美容師という職業に限らず、仕事には向き不向きはあると思っています。
でもちょっと経験しただけでわかる向き不向きではなく、得意な事を伸ばしながら苦手なものを改善させていった先に、向き不向きを考える時がくるんだと思っています。
事前に「美容師はこんな仕事」だと知っておくことで、気構えもできると思います!
コンビニよりも5倍も多い美容業界なので、自分の考えに近いお店も必ずあると思います。
就職活動中の悩み
あなたに合った美容室をご紹介させていだくこと事もできます♪
美容室には目指すところ、その美容室の雰囲気もそれぞれで、それと同じく働く側もバリバリ稼ぎたい方から、休日を大切にしたい方、やりがいを見つけたい方など、人それぞれです。
なにかあった時の対策の仕方も伝授できるので、お気軽にご相談ください!
やりがいとモチベーションが直結できるからこそ、美容師という仕事を頑張り続けることができます。
20代〜30代で活躍するためには、様々な経験が大切です。
半年などの短期間ではなく、長い社会人生活の視点を持って見つめ直してみましょう!
美容師として頑張り続けていることで、30代〜40代になったときに沢山のお客さんに喜んでもらって、同世代よりも若々しく年収も高いなんて人も多くいる業界です。
美容師は人気商売
美容師は、人気商売の一面がある職業です。
アシスタントとして様々な技術を学び、美容師の花形であるスタイリストデビューします。
スタイリストになると、いかに指名をもらって施術をすることで、売上歩合がついてお給与がどんどん上がっていきます。
「売れている美容師」の特徴は「人から好かれる人」だそうです。
技術がとびきり上手いから、売れている美容師になれるわけではないんですよね。
もちろん下手でも売れる業界でもありません。
施術練習も絶対必要ですが、人から好かれる技術も身に着けたほうがきっと先々、結果を出しやすくなるのかもしれませんね◎
美容師として働くポイント
自分の利害に影響を与える人たちのことを「ステークホルダー」言います。
それに当たるのは、先輩だったりオーナーだったりします。
先輩にあまり好かれていないと教え方も接し方も変わってくるかもしれませんし、オーナーに好かれていないとチャンスが巡ってきづらくなるかも・・・
「そういったことは良くない!」
という声も聞こえてきそうですが、残念ながらどんな職種・どんな大手会社にもあります。
きっと理不尽だと感じてしまうようなことも沢山あります。
媚を売れというわけではありません。
でもまだ施術も接客もままならない時は、まず先輩スタッフ、オーナーに好かれる技術=お客さんに好かれる技術を磨くチャンスだと思ってください!
動きや表情1つ1つの声なき情報をキャッチして気を配って動くことは、自分がスタイリストになった時、必ず役立つ接客スキルになります♪
美容室で働くことでお金をもらうことができる、という点でとオーナーは最初の自分のお客さんと勝手に思ってもいいかもしれませんね。
お客さんであれば、理不尽だと感じても割り切れることもあるかもしれません。
40代50代になってもずっとスタイリストとして活躍したい!
もしくは、自分もお店を持ちたいという方にとっても「人に好かれる人」になるためのスキルは絶対に役立ちます!
「どうしたら喜んでもらえるか?」
を考えるスキルを身に付けることでお客様から指名を頂ける美容師になれます。
技術がピカイチな人がお店のNo1のスタイリストというわけじゃないですからね。
きっと、その先に所得にも反映されます。
お店のコンセプトに共感
求人の仕事をしていて、予想外なことを聞くことがあります。
もしかしたら、それが美容学生の常識なのかもしれません。
美容学生は、すべての美容室が10代〜20代向けのデザインカラーを沢山していると思っているようです。
どのお店もそういう施術がゼロではないかもしれませんが、デザインカラーを多く施術する美容室は、各県のターミナル駅エリアの美容室だったり、青山・原宿エリアの美容室が多いように思います。
その他の地域密着のサロンでは、グレイカラーが多かったり、日曜は近隣の男性客が多かったりします。
お店として、お客様に喜んでもらえるようなコンセプトが決まっているのに、自分がやりたい施術をやりたい、できないことを態度に出していると、段々、周りが冷たくなっていってしまうかも・・・。
もし思ったコンセプトが違うならお店を移る方が両者にとって良いでしょう◎
美容師の業態について
美容師は接客・施術が対価となる職業なので、スタッフが増えたからと言って、利益が上がるとは限りません。
売上げは上がることがあるかもしれませんが、スタッフが増えれば、最低でも20万円弱の人件費もろもろの費用がかかってきます。
シャンプーも出来ないスタッフが増えれば、その分のお給与は、オーナー・先輩スタッフも施術に集中をして売上げた利益から捻出をします。
売上に大きく貢献しているのは、やっぱりオーナー・先輩スタッフですよね。
だから、自分が教えてもらいながら給与をもらって、自分ができるようになったら自分がしてもらったことを後輩にしてあげることが大切です。
自分も含め、巡り巡ってサロンがまわっているということを知って、働くと周りの視線も変わってきますよ!
拘束時間が長い理由
美容室で最初の仕事は、お掃除や電話対応、シャンプーや先輩のサポートでしょう!
そうやって頑張って働いた結果、給与を頂く。
これが健全の状態だと思います。
最初のうちは自分が入ったからといって、売り上げが劇的に伸びるわけがありません。
先輩がしていた電話対応やシャンプー、カラー塗布など自分が代わりにできるようになって、先輩が別のお客様に入客できるチャンスが増え、売り上げが上がって給与をもらうことで初めて健全な経営状態になります。
オーナーの目線で考えると、少しでもたくさん練習して、できることを増やして欲しいと考えています。
参考エピソード
以前に求人のご相談でお伺いしたサロンさまで、入社1年目の美容師アシスタントさんにインタビューをさせてもらったエピソードです。
入社のキッカケは、作品撮りをしっかりしていて、着付けメニューなど幅広く美容の技術を身に着けることが出来そうだからだったそうです。
- 朝練習やミーティングは朝7:00から。
- 営業時間は10:00から20:00まで。
- 週1回、営業終わりに全体で夜練習。
- 休みの日は、コンテストがあればその準備や撮影の手伝い。
講習を受ける時もあります。
この子は、美容が好きでお店のスタッフさんも好きなのでオンオフともにスタッフや同僚といることが楽しいと言っていました。
このお店のオーナーさんは、美容師は技術職なので、色んな経験をして早く一人前になって欲しいという想いからそうされていました。
わざと拘束時間を増やしているサロンさんは1つもありません。
でももし同じ状態で、それを苦痛と感じているのであれば、お店の目指す方向とあなたの目指す方向が合っていないのかもしれません。
美容師という職業
美容師は、1対1で接客をして費用をもらうお仕事です。
「接客=喜んでもらう施術を身につける」
売上アップに繋げられないと、先輩スタッフが売り上げてくれた中からお給与をもらっているようなスタッフになってしまいます。
美容師さんは、職人なのでたくさん練習をしながら、技術を磨いて、シャンプーができるようになって、カラー塗布ができるようになって、と出来る事と質を上げていきながら、接客スキルも磨いていかないといけません。
美容師として活躍する上で「やらされている」ではなく「自分のためにやっている」と考えられる方でないと苦痛でしかないかもしれませんね・・・。
美容師として働きたいけど、もうすこし自分のペースで働きたいなんて方は、自分のペースを尊重してくれる美容室も増えていますよ!
練習に疑問を感じた時思い出して欲しいポイント
活躍できる美容師になるには、時間と練習量が比例します。
自分にとってオーバーペースになってしまい、つらい、苦しいと思うようであれば、一旦、オーナーや先輩に相談してみるといいと思います。それでも解決できなさそうだったら、別のお店を考えるのもOKだと思います。
ですが、美容師さん同士は横の繋がりが強いので、不義理して辞め続けると近辺ではどこも雇ってくれないこともあります。
だからこそ、お店選びは最初も次も慎重にしましょう!
面接の時も、他のお店に所属している状態で次のお店の面接を受けた方が、ちゃんと考えている子という印象をもってもらうことが多いようです。
美容室の売上とは?
美容室は1店舗4人くらいが一番多い規模だと思います。
仮にオーナー以外のスタッフさん3人×25万円(交通費込)だった場合、家賃+3人の人件費で100万円弱が毎月発生します。
オーナーとしては、売上が立ってないからお給与は払わないよ、なんて言いたくても言えないですよね。
お客さんが来ないと売り上げが立たない、スタッフにもお給与を払えなくなってしまうし、自分の生活もできなくなってしまう。
だから、お店の立地を考えて、営業時間も考えて、接客できるチャンスを増やしたい。
お客さんが来てくれているんだから、休憩はあってないような感じになってしまう。
美容師という職業の特徴がそういう感じなのだと思います。
ほかの職種でもそれぞれ特徴はありますよね。
髭を生やしていけない、髪は耳にかかってはいけない、ピアスはダメ、スーツを着用、仕入れが朝の4時から。
販売ノルマなど、それぞれ特徴は絶対にあります。
この点はもう覚悟してやっていくしかないと思います。
あとは、目の前にお客様がいて、休憩時間だからご飯を食べてから接客の続きでいいじゃん、と思うのであれば、決まった時間に休憩が取れる仕事はたくさんあるので転職を考えてもいいと思います。
目の前のお客さんに喜んでもらうことがモチベーションになっている方じゃないと務まらない職種なんだと思います。
もしくは、美容師とだけどそれおかしくない??と思うのであれば、そういうお店を自身で作っていくしかないんですよね。
実際、美容師の求人の仕事をしている中で、14:00~15:00は予約を切って、みんなでお昼を食べる。
朝番と遅番で分けて拘束時間を短くしているサロンもあります。
結果が求められる
美容師として働くと、結果を求められることの連続になります。
シャンプーテスト、カラー塗布のテストなどなどできることが増えていくことで随時昇給をしていきますよね。
同期がいれば、比べられることもあるだろうし、オーナー同士のつながりで他店のアシスタントとも比べられるかもしれませんね。
いままで学校でやってきたこととは、まったく別のことで0からスタートする。
この期間、練習したらOKではなく、合格するまでやる。
合格したらまた次のテストの繰り返しです。
技術職の業界なので美容師として働いてきた人全員が通る道ですね。
本人が頑張っていても合格しないこともあって当然あります。
給与をもらうということは、他者の要求に応え続けるということ。
要求に応えることができたり、満足を提供することでお客さんから指名されるような美容師になれます!
美容室の人間関係
美容室の退職理由で1番、多いのが人間関係のように思います。
ケースはそれぞれですが、人間関係を悪化させているのは自分にも原因の一端はあると思っています。
まわり変えよう変えようとしてもなかなか他人を変えさせる事は難しいですよね。
だったら、相手に合わせる術を身に着けた方がいろいろ好転していくと思います。
立場が変えて考えてみると、自分を頼ってくれたり、言ったことに素直に返事ができて行動に移せる後輩ができたら、可愛がりますよね。
最初のうちは、先輩も気にかけて声をかけてくれると思うので、それを活かして、言われなくてもちょっとずつ先輩に喜んでもらえるサポートをしてみたり、前回言われたことを参考に先回りしたサポートをできるようになれると、きっと先輩たちから可愛がってもらえるようになれます。
もし、思ったような反応が得られないと考えている時は、一度、自分がお店にどう貢献できるか?
先輩たちがどうしたら「ありがとう」がもらえるか?を考えて動いてから、最終判断をしても良いと思います。
喜んでもらうことが嬉しい人の天職
拘束時間が長かったり、練習など下積みの長い職種だと思いますが、誰かに喜んでもらうことが嬉しいという人にとっては美容師は天職なんだと思います。
人に喜んでもらう、笑顔を見るのが好きだと考えている方には合っている仕事だと思います。
求人の立場でオーナーさんに「どんなスタッフが欲しいですか?」と聞くとほとんどこの様なことを話をしてくれます。
実際に自分が施術をして、その場でお客さんの反応が確認できる職業です。
本当に喜んでいる時もそうじゃない時もありますが、言葉にしなくても、お客さんが満足しているのを間近で感じられること、子供世代も同世代も30代40代の方にも「ありがとう」を言ってもらえる、自分からしたらおじいちゃん、おばあちゃん世代の方にも「ありがとうございます」とその場でお礼を言ってもらえるのはやっていた良かったと思う瞬間ではありませんか?
自分の友達もそうですが、最終的に親や自分の家族の髪を切ってあげる、塗ってあげることも醍醐味だと言っていいと思っています。
プロデュース力
美容師としてのやりがいは、目の前のお客様に喜んでもらえるように、良いと思ったことを提案して施術を通して喜んでもらえることなのかなと思います。
学生時代に友達の似合いアレンジをして喜んでもらえたなんてことが美容師のキッカケの人も多いのではないでしょうか?
アシスタントととしてカラーを担当してそのお客さんに似合うカラーを提案して喜んでもらえたことが嬉しかったなんて話も聞いたことがあります。
お客さんの要望を聞きながら、時には、お任せと言ってもらいながらプロデュースする。
出来上がったスタイルにお客さんが喜んでもらえる。
クリエイター兼プロデューサーなんだと思います。
日々、自分の努力で時代に合わせて習得してきた技術でひとりひとりのお客さんの魅力を引き出すことができる職業です。
美容師はかっこいい仕事
美容師を目指す理由のひとつでカッコイイ、これはそうだと思います。
美意識の高い環境でいることでセンスも磨かれてきます。
お客さんの中にもオシャレが好きな人も多い接することができるので、お互いにオシャレに関する情報を交換したり、刺激を受けたりという点もカッコイイ要因なのかなと思います。
顔つきも変わってくると思うんです。
なにより、人から沢山ありがとうと言ってもらえる職業をしているのがカッコイイ☆
色々な職業の人に出会える
美容師は毎日沢山のお客さんと触れ合います。新規顧客、既存顧客、自然失客、顧客のライフスタイル変化、転勤、卒業など状況も変化していくので、沢山の方と出会うことができる職業です。
性別、職業、年齢、住所、センスもバラバラでいろんな人生経験を積んだ方からお話を聞けるチャンスも多分にあります。
その出会いでお付き合いが始まったり、良い商品・飲食店の口コミ、これから情勢の変化など本当にいろんな話が聞ける場所が美容室なんだと思います。
自分の知らない業界の情報を得ることで、会話の引き出しが増えて人として深みが出て魅力が増します。
情報通の美容師さんとしてお客さんから付加価値を感じてもらえます。
自分の人生に活かすこともできます!
コミュニケーション能力が高くなる
美容師は、子供からお年寄り制台まで幅広いお客さまとコミュニケーションが必要な職業です。
家庭や学校、仕事での楽しい話もあれば、悩み相談。趣味のことや休日に出かけたときの話をされることあり、ない話がないのではないでしょうか。人もバラバラで話もバラバラとなると高いコミュニケーション能力が必要になり、受けることも交わすこともできるスキルが身に付きます。
一般業界ではコミュニケーションがいらない職種はどんどんAI化していくと言われています。相手に嫌な気にさせないスキルはきっとこれから評価される時代がくると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
新年度を迎える前に、美容師さんの「光」と「影」の部分を書かせていただきました。
これから美容師になる方には、事前確認してみてもらえたらと思います。
すでに美容師として働いている人は、すでに知っていたり、経験をしていることばかりだったとかもしれません。
ですが改めて、なぜ美容師になったのかの基準点の修正になればと思います。
長くなってしまいましたが、この記事を見ているということは、悩みが1つや2つがあるから検索をして発見してくれたのかもしれませんね。
これから美容師人生を歩んでいく中で、早期デビューなんてことは考えないでも良いかなとも私は思っています。
美容師さんは技術職でありクリエイターでありプロデューサーでもあるので、ずっと活躍するためには常に研鑽が必要だと思います。一般業界でも同じです。
失敗と経験をして色々な経験を繰り返して人は成長していきます。
目先の1、2年に捕らわれないでください。
しっかり練習をして、スタイリストデビューをした時に自信をもって・安心して入客するために、今何ができるか考えてみましょう!
こちらの記事では、お客様がつい応援したくなる美容師アシスタントさんの特徴をまとめています。
是非参考にしてみてください。