福祉美容という言葉をご存知でしょうか?
「訪問美容」とは困難な方、または家族の介護や乳幼児の育児により外出ができない方に対し、理美容師がご自宅や施設、病院に出向き施術を提供するサービスです。
高齢者が増え続ける状況の中、福祉の現場でも美容師のお仕事が増えています!
今回は今後需要が増えるであろう福祉業界でのお仕事についてご紹介します。
高齢化社会の現状
シニア世代の増加により、福祉業界での美容サービスの需要が増しています。
内閣府のデータによると
現在の日本の高齢化率は28.4%
我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人となっている。
65歳以上人口は、3,589万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%となった。
65歳以上人口を男女別に見ると、男性は1,560万人、女性は2,029万人で、性比(女性人口100人に対する男性人口)は76.9であり、男性対女性の比は約3対4となっている。
65歳以上人口のうち、「65~74歳人口」は1,740万人(男性831万人、女性908万人)で総人口に占める割合は13.8%となっている。また、「75歳以上人口」は1,849万人(男性729万人、女性1,120万人)で、総人口に占める割合は14.7%であり、65~74歳人口を上回っている
1 高齢化の現状と将来像|令和2年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府高齢社会対策大綱、高齢社会白書、高齢社会...
そんな中、福祉に関する仕事に就く人員不足や職場環境が社会問題になっています。
福祉の世界では介護士の他にも、施設や自宅へ訪問してヘアカットやヘアケアを行う美容師も活躍しています。
この福祉美容の需要も今後どんどん高まってくるでしょう!
訪問美容師の仕事
福祉における美容サービスの場合、美容師や理容師が出向いて施術を行うことが多く「訪問美容」と呼ばれています。
訪問美容という言葉を、美容師さんも求人広告等でも目にすることが増えているのではないでしょうか?
具体的にどんなお仕事か?
施術内容はサロン業務と同じく、カットやシャンプー、スタイリング、メイク、マッサージなどです。
普段のサロンワークとの大きな違いは
- 施術場所が使い慣れているサロンではない
- お客様が高齢の方がほとんど
- 障害を持っている方がいる
その他にも
- 歩けなかったり
- 寝たきりだったり
- 希望を自分で伝えられない
など様々なケースがあります。
どんなお客様にも対応できるよう、福祉の知識やスキルが必要になってきます!
知識やスキルを学びたい場合
今までサロン勤務だった美容師さんにとって、福祉の世界は身近ではない方がほとんどだと思います。
福祉について何も知らない状態で、何から勉強したら良いのか分からない方は
NPO団体による福祉理美容師の資格があります。
こう言った資格を活用して不安を取り除いてみてはいかがでしょうか?
福祉理美容師として働くためには
福祉理美容師として働くためにはどうしたら良いのか?
主に下記2種類が一般的です。
訪問美容専門企業
訪問美容を専門に行っている会社があります。
専門に行っている会社の場合、入社後に研修などで学ぶ機会があるでしょう。
未経験から挑戦したい美容師さんにオススメです!
働き方も正社員、業務委託など選ぶことができます。
土日がお休みのこともあり、主婦の方やママ美容師さんなどの働き方希望にも合うかもしれません。
サロン業務+訪問美容
美容室でも訪問美容を行っているサロンがあります。
通常のサロン業務を行いながら、月に数回、訪問美容を行うなどの例があります。
サロン業務と訪問美容、両方とも経験することができます。
この場合、福祉美容については先輩スタイリストから教えてもらうことが多くなるでしょう。
普段から一緒に仕事をしている先輩と行動できるので、緊張も半減するかもしれません。
こういった活動に興味がある美容師さんは、「福祉」や「訪問美容」というキーワードを加えて求人を探してみてください。
同じ志を持った仲間と一緒に活躍できますよ!
また、この形式の場合、訪問美容で担当した方の家族の方など、お客様の輪が広がるという利点もあるようです♪
給与や条件面
訪問美容専門、またはサロン業務+訪問美容のスタイルであっても、一般的な美容師さんの給与とも大きな差はありません。
訪問美容も一般サロンでの場合と同様に、実力次第のようです。
訪問美容師の待遇
勤務時間や勤務曜日などの面を見てみると、訪問美容専門企業は、どちらかというと一般企業に近いように感じます。
サロン業務のように飛び込みのお客様が入ってくることもないので、勤務終了時間はほぼ予定通りのようです。
訪問美容の特徴
訪問美容の特徴は移動する必要があることです。
一般サロンでしたら家からサロンまでの距離も把握して就職することができますが、訪問先がその日によって異なったり、家から遠いこともあります。
ハサミや薬剤、メイク道具などの荷物も運ばなければなりません。
通常のサロンワークとの違いをしっかり把握しておきましょう。
美容による精神的効果
美容室を利用すると、嬉しくなったり、気分が明るくなります。
お客様のそんな表情が嬉しくて美容師を続けている方も多いのではないでしょうか?
こういった美容サービスによる心理的効果が福祉の世界でも注目されています。
美意識を保ったり、周りから褒められたりすることで自信につながり、前向きな気持ちになれます。
それにより対人関係が活発になったり、脳の活用に繋がったりと相乗効果も期待されています。
リラクゼーション効果もあるので、一石三鳥くらいの効果があるのかもしれませんね♪
やりがいの大きいお仕事
日本の高齢化の観点から、福祉美容業界は注目されています。
今後訪問美容を取り入れていくサロンも増えていくのではないでしょうか?
「やりがいが大きい」
という意見も良く耳にします。
社会貢献に興味がある方は、今のうちから勉強や経験を積んでみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
高齢化社会と言われている現在、これからますます需要が高まってくる職種だと思います。
皆さん自分ではなかなか手が回らない、けれど本当は整えていたい部分だと思います。
社会貢献にもなるお仕事です。
お客様の笑顔を糧に働いてみるのはいかがでしょうか?
こちらの記事では、美容師さんのダブルワークについてまとめています。
是非参考にしてみてください。