美容師の職業病の一つである腱鞘炎。
酷くなると仕事ができなくなり、 腱鞘炎が原因で辞めてしまう美容師さんも少なくないと聞きます。
美容師だけでなく、手首を中心に手を駆使する職業の方がなりやすい症状です。
今回は、腱鞘炎についての解説と予防・対策を紹介します。
目次
腱鞘炎とは
まずは、腱鞘炎についてです。
どんな仕組みで起こってしまう症状なのか簡単に説明していきます。
指が動く仕組みは、腱鞘というトンネルの中にある腱が腕の筋肉から繋がるロープのような役割を果たし、指を動かしています。
指や手首を駆使すると、腱と腱鞘がこすれ合い、腱鞘が腫れいきます。
こうなると、トンネルの幅が狭くなるので、そこを腱が通るたび、痛みを生じるようになります。
このように、腱鞘炎は指や腕を駆使することにより発生するため美容師に限らず、主婦やデスクワーカーの方でも悩んでいる方が多いです。
最近では、職業柄ではなくても、スマートフォンの使用で腱鞘炎になる人も増えているようです。
美容師さんの場合、カットやシャンプーなどで指や手首、腕を駆使し、力を入れるためなってしまいます。
腱鞘炎になってしまうと仕事に支障をきたし、酷くなると生活にも影響が出てきてしまうため、腱鞘炎は予防から大切です。
腱鞘炎の予防方法
まずは予防です。
これだけ腕や指を駆使する職業ですので、何もしなければ腱鞘炎になる、と思っておいたほうが良いかもしれません。
美容学校ですでに経験してしまっている方もいるかもしれませんが、スタイリストだけでなく、シャンプーや練習などでなってしまうアシスタントさんもいます。
アシスタントの皆さんも注意しましょう。
1.サポーターを活用する
美容師さんにとっては、服装や見た目も大切な要素ですので難しいかもしれませんが、サポーターを活用しましょう。
お仕事中はつけられなくても、お仕事以外の時間は全てサポーターをつけて過ごす、などの方法も腕への負担軽減につながります。
また、営業時間外の練習時には必ず着用するなどの工夫も必要です。
2.仕事以外では休める
食事の際は指を使う箸ではなく、スプーンやフォークだけで食べてみたり、スマートフォンを見るときは利き手ではない手で持つ、またはテーブルに置いて使うようにしてみてはいかがでしょうか。
特にスマートフォンは、仕事で腱鞘炎にならない人でも使い方によって、腱鞘炎になる可能性があります。通勤時の電車の中などでは無意識に持ってしまいがちですので、気をつけましょう。
3.ストレッチをする
サロンワーク中は、ストレッチを欠かさないようにしましょう。もちろん日常でも気づいた時に行うことを習慣付けておくと良いでしょう。 右手で説明します。
まずは、手のひらが上になるように右腕を伸ばします。右手の親指を右手の下から左手でつかみ、右手を外旋させるようにストレッチさせて行きます。
手首だけでなく腕全体をストレッチさせることで、胸を開き肩こり解消にもなる一石二鳥のストレッチです。
他には、腕を伸ばし手首から先を下に向け、反対の手を添えてストレッチさせます。
次に、腕を伸ばし手首から先を上に向け、指を反るように反対の手を添えてストレッチします。
この際、無理に反対側の手で力を加えすぎないように気をつけましょう。力加減は、気持ち良いと感じる強さまでです。 最初は緩めに、徐々に力を調節して行きましょう。
ストレッチは、気になる手首だけでなく、全身行うことをお勧めします。
全身は繋がっているため、痛みの原因は他の箇所にあった、という事も珍しくないからです。
例えば、指や手首の動きは肩と関係しています。肩こりの原因になっていたり、逆に、肩こりが原因で手首が痛くなっている可能性も考えられます。
腱鞘炎になってしまったら
「痛くなってきたな・・・」 と感じたら、早めに対策を始めましょう。
1.手を固定して休める
痛くなってしまったら、とにかく手を休めることが大切です。
腰痛も同じですが、痛くなってみると、日常でどれだけ手首や指を使っているかがわかります。
そのため完全に使わないで生活することは難しいです。
予防策と同じになりますが、サポーターやテーピングが効果的です。
2.患部に熱がある場合は冷やす
痛い部分が熱を持っている場合は、冷やす必要があります。
氷や湿布などを使って冷やしましょう。
3.温めてほぐす
患部に熱がある場合は冷やす必要がありますが、熱を持っていない場合は、お風呂に入る際に湯船で手首も温めましょう。
痛みの様子を見ながら指をグーパーしてみたり、手首をほぐす事も大切なようです。
不安な場合は迷わず病院へ!
痛いのに何も対策を行わなかったり、痛み止めを飲んで動かし続けたりしてしまうと悪化していきます。
別の病気の可能性があったり、手術が必要になってしまうこともあります。
自分でどうにもならない痛みだったり、不安な場合は、すぐに病院に行きましょう。
特に美容師さんの場合、痛くなってしまうと、静養する期間もなかなか取れないと思います。自分で判断せずに早めに病院に行くことをお勧めします。